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文学作品の心に残る一説を記録しよう
1 :
名無しとは虚栄の別名である
:2013/05/03(金) 20:49:20.42 ID:p/7WOLdL0
これまで読んだ本の中で心に残る名文、個人的に記憶に残っている小説を記録してみませんか
文学作品であれば特に内容は問いません。また、一般書籍板、SF板の趣味全般統合に伴い、小説と呼ばれるものであれば文学以外であってもある程度は構いません。
引用文は、著者の意図がくみ取れる範囲ならば多少うろ覚えであっても構いません。
逆に、正確に分かるならば、どの出版社から出た何々氏著の書籍の何ページの何々、というような細かい部分まで書くと、良いかも知れません。
心に残る一説を文学板やblogbanの人たちと共有してみませんか。
2 :
名無しとは虚栄の別名である
:2013/05/03(金) 20:52:36.97 ID:p/7WOLdL0
私はママンのことを思った。一つの生涯のおわりに、なぜママンが「許婚」を持ったのか、また、生涯をやり直す振りをしたのか、それが今わかるような気がした。なんびとも、なんびとといえども ママンのことを泣く権利はない。そして、私もまた、全く生きかえったような思いがしている。このしるしと星々とに満ちた夜を前にして、私ははじめて、世界の優しい無関心に、心をひらいた。
――アルベール・カミュ「異邦人」(新潮文庫)
3 :
名無しとは虚栄の別名である
:2013/05/04(土) 00:27:31.55 ID:hRu9dVI7s
あっちで腹を立て、こっちで腹を立て、乱立するのは腹ばかりである。
ーー森見登美彦
うおおおうろ覚えだごめんなさい
この一文には笑った
4 :
名無しとは虚栄の別名である
:2013/05/04(土) 13:49:06.28 ID:pizuBlwb0
森見登美彦はこういう言葉遊びみたいな表現をつくるのが上手いね
当に僕が感動するのはだね、全部読み終わった時に、それを書いた作者が親友で、電話をかけたいときにはいつでもかけられるようだったらいいな、と、そんな気持ちを起こさせるような本だ。
――J.D.サリンジャー「ライ麦畑で捕まえて」(白水社 32ページ)
5 :
名無しとは虚栄の別名である
:2013/05/05(日) 13:38:11.48 ID:G0pA0f1e0
疲れきってしまわないようにすることだね。そうでないと、車輪の下じきになるからね。
――ヘルマン・ヘッセ「車輪の下」(新潮文庫 122ページ)
6 :
名無しとは虚栄の別名である
:2013/05/06(月) 16:00:37.83 ID:bVfngHE/0
おもむろにヘルマン・ハイルナーは腕を伸ばして、ハンスの肩をつかまえ、たがいの顔がまぢかになるまで、ハンスを引き寄せた。それからハンスは突然、相手のくちびるが自分の口に触れるのを感じて、なんともいえず驚いた。
――ヘルマン・ヘッセ「車輪の下」(新潮文庫 94ページ)
7 :
名無しとは虚栄の別名である
:2013/05/07(火) 12:44:44.87 ID:LCMWrf350
人間は恋を抑える力はもっていない。恋心というものは、どんな場合にも、人手を借りずに芽ぐむものです。人の心の中には、どんなことがあっても、力ずくなんかで立ち入られるものなんかじゃないんです。どんな人の心にも、恋人を恋人という自由があるんです。
――モリエール「人間ぎらい」(新潮文庫 81ページ)
8 :
名無しとは虚栄の別名である
:2013/05/08(水) 16:53:02.18 ID:4ywfB69G0
そうです、僕は、だれもあなたを優しい人だと思わずにいてくれればいい、あなたがみじめな身の上になってしまえばいい、あなたが生れたとき天が何物もあなたに授けなければよかった、あなたが地位も身分も財産も持っていなければいい、そうしたら、僕の心をいさぎよくあなたの前に投げだして、あなたを不運な身の上から救い出すことができる、今の今でも、僕の愛の手から一切をあなたにあたえて、それを喜びもし誇りにもしていられるところだと思っているのです。
――モリエール「人間ぎらい」(新潮文庫 88ページ)
9 :
名無しとは虚栄の別名である
:2013/05/11(土) 08:59:05.50 ID:mQN5w/Fq0
彼女は血の涙を流した、そして遅まきながら、
家柄や暮らしぶりの不釣り合いな結婚があるように、
精神の不釣り合いな結婚があることを覚ったのだった。
――バルザック「ゴプセック 鞠打つ猫の店」(岩波文庫 210ページ)
10 :
名無しとは虚栄の別名である
:2013/05/20(月) 12:58:03.54 ID:uuKgrAkG0
「だまれ! この子をほうっておけ! この子にはわかりゃしない。こんなふうなのはこの子のせいじゃないんだ……たのむから、この子の人格を尊重してやってくれ! 彼はにんげんなんだ!」
──ダニエル・キイス「アルジャーノンに花束を」(ダニエル・キイス文庫 318ページ)
11 :
名無しとは虚栄の別名である
:2013/08/28(水) 02:32:02.85 ID:5tz5NgCF0
結局は読者の要求だ。新聞を手にすると、期待にみちて社会面をひらき、そこにどぎつい事件があると、食い入るように読みふける。だが、平穏な事故ばかりだと、なんだつまらないと、不満な表情をする。そういった大衆の要求が、記者をあんなふうにしてしまうわけだろう
――星新一「悪魔のいる天国」(新潮文庫 204ページ)
12 :
名無しとは虚栄の別名である
:2013/09/06(金) 02:04:27.63 ID:emLSy9a80
これから忘れていくはずだよ。人生というのは、そういうふうにできているんだ。すべてが、時と共に消えていく。記憶は薄れ、苦しみは減少する。私は妻のことを思い出すけれど、それはまるで小鳥か花でも思い出すような感じなんだよ。彼女は、すべてが軽やかで、たやすく、美しく思えたひとつの世界に現れた生命の奇蹟だった……。
――アゴタ・クリストフ「ふたりの証拠」(ハヤカワepi文庫 184ページ)
13 :
名無しとは虚栄の別名である
:2013/09/08(日) 10:43:27.00 ID:Oregj0PP0
追い詰められて誰も親切にしてくれないから、だから人を拒絶していいのか。
善意を示してくれた相手を見捨てることの理由になるのか。絶対の善意でなければ、信じることができないのか。
人からこれ以上ないほど優しくされるのでなければ、人に優しくすることができないのか。
――小野不由美「十二国記 月の影 影の海(下)」(新潮文庫 84ページ)
14 :
名無しとは虚栄の別名である
:2013/09/18(水) 10:27:09.49 ID:Vf/rVpr80
この殺され屋稼業の中では、気むずかしいことは言っておれない、まだ人生が続いているみたいなふうに振舞わなければならない、こいつがいちばんつらい仕事だ、この欺瞞が。
――セリーヌ「夜の果てへの旅」〈上〉(中公文庫 P53)
15 :
名無しとは虚栄の別名である
:2014/04/05(土) 12:46:38.70 ID:GAPV3Isp0
ぼくの親爺がよくいっていた。法律が複雑になればなるほど、悪党どものつけいる隙も多くなるのだと。親爺はこうもいった。賢い人間は、いつでも荷物を捨てる用意をしておくべきだと、と。
――ロバート・A・ハインライン「夏への扉」(ハヤカワ文庫 156ページ)
16 :
名無しとは虚栄の別名である
:2014/04/07(月) 15:35:40.77 ID:Id+WreCc0
子供をひとり、本を一冊、絵を一枚、家を一軒、築いた塀をひとつ、あるいはまた、こしらえた靴を一足。それでなければ、自分の手で丹精した庭園、なんでもよろしい。なにかの意味で、自分の手の触れたものをのこしておかねばならぬ。それによって、たとえ死んでも、たましいが行き場に迷うことはない。おまえの植えた木なり花なりが、他人の眼に触れることはおまえがそこに存在することだ。
――レイ・ブラッドベリ「華氏451度」 (ハヤカワ文庫SF 314ページ)
17 :
名無しとは虚栄の別名である
:2014/04/09(水) 19:12:00.79 ID:bkuR4AnY0
エリザベートは礼を言わなかった。奇跡で生きることに慣れていたので、驚きもせずに奇跡を受けいれるのだ。待っていれば、奇跡はかならず起こった。
――ジャン・コクトー「恐るべき子供たち」(光文社古典新訳文庫 66ページ)
18 :
名無しとは虚栄の別名である
:2014/04/11(金) 03:47:14.90 ID:XFlCGKiS0
美を得るために不可欠なもの、それは愛。そして愛をぶち壊す残酷さ。
――ジャン・ジュネ「泥棒日記」(新潮文庫 372ページ)
19 :
名無しとは虚栄の別名である
:2014/04/30(水) 14:16:10.51 ID:0Z0myGbi0
行け、ディーノ、もっといそいで歩け、遠くまで走れ、人生はあまりにも貧しく、魂はあまりにも広すぎる
――アントニオ・タブッキ「逆さまゲーム」(『行き先のない旅』)(白水社 202ページ)
20 :
名無しとは虚栄の別名である
:2014/05/17(土) 20:30:33.59 ID:KIJweQa70
「おまえが何かを決める時は、あらかじめありとあらゆる要素を目の前に思い浮かべて
状況を全体的に眺めるんだよ。眺めるだけでいいんだ。決めようとするんじゃないよ。
そうすれば、答えはひとりでに出てくるものだ」
――ウィリアム・バロウズ「デッド・ロード」(思潮社 63ページ)
21 :
名無しとは虚栄の別名である
:2014/06/02(月) 19:30:58.99 ID:Mrv4WJB70
運命が法則であるなら運命自身もその法則に従うのでしょうか? 結局のところわたしたちはものごとの原因を何かに求めずにはいられないのです。
――コーマック・マッカーシー「すべての美しい馬」(早川書房 397ページ)
22 :
名無しとは虚栄の別名である
:2014/06/24(火) 01:42:47.86 ID:qSVtd75n0
蜂は少し歩いて転び、また歩いて倒れた。季節の移るように自然と亡びてゆく、静かな死ではあったけれども、近づいて見ると脚や触角を震わせて悶えているのだった。それらの小さい死の場所として、八畳の畳はたいへん広いもののように眺められた。
――川端康成「雪国」
23 :
名無しとは虚栄の別名である
:2014/07/01(火) 02:11:33.17 ID:kmdjywFF0
謎は解けないと知って、解こうとしてあせらないようにはなったが、自分はそれを打ち棄てて顧みずにはいられない
――森鴎外『妄想』
24 :
名無しとは虚栄の別名である
:2014/07/02(水) 09:24:52.88 ID:LDJKQOfp0
「限界や境界の決定というものは、常にむずかしい。世界は一つ、人生も一つ。すてきな美しい行動にも、多少の暴力がともなうものだ……たとえば、愛の行為、またたとえば音楽だ。君は、運にまかせてやってみるべきだよ。万事、君の選択しだいだ」
――アントニイ・バージェス「時計じかけのオレンジ」(ハヤカワepi文庫 181ページ)
25 :
名無しとは虚栄の別名である
:2014/07/04(金) 15:54:32.66 ID:EoISMJKw0
幸福が心の気高さを生むことはときとしてある。だが、苦難は、だいたいの場合、人を狭量にし、意地悪くする。
――サマセット・モーム「月と六ペンス」(光文社古典新訳文庫 119ページ)
26 :
名無しとは虚栄の別名である
:2014/07/09(水) 01:21:53.52 ID:qc0zUrfp0
都市が埋もれて終わった文明もあると初めて知ったとき恐怖しましたが結局怖がることはないんだと思いました、何とか言っても地球は丸く、好きなことをすればいいわけで、丸くしかありえないんだし、文明は終わらなければならず、機械文明もほかのもろもろのことと同じく終わらなければならないからです。
――スタイン「みんなの自伝」
27 :
名無しとは虚栄の別名である
:2014/07/15(火) 14:25:16.57 ID:LA/+DQC+0
老人がいった。「どこへ行こうと、人間はまちがったことをするめぐり合わせになる。それが――おのれの本質にもとる行為をいやいやさせられるのが、人間の基本条件なのじゃ。生き物であるかぎり、いつかはそうせねばならん。それは究極の影であり、創造の敗北でもある。」
――フィリップ・K・ディック「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」(ハヤカワ文庫SF 171ページ)
28 :
名無しとは虚栄の別名である
:2014/07/22(火) 04:29:27.27 ID:21DpWBWz0
人生には、食うことや、争うことや、権力をうばいあったりすることなどより、はるかに大事なことがあったんだと、そうはじめて気づくようになるまでに、カモメたちはどれだけ永い歳月を経てこなければならなかったことか。きみにはそれがわかるかね?
――リチャード・バック「かもめのジョナサン」(新潮文庫 62ページ)
29 :
名無しとは虚栄の別名である
:2014/08/03(日) 01:18:29.28 ID:VsUZSFXA0
「存在するものですか。<青春>も<壮年>も<老年>も<死>も存在はしないのです・・・」
――J・P・サルトル「嘔吐」
30 :
名無しとは虚栄の別名である
:2014/10/11(土) 17:00:31.24 ID:KdOGvmXc0
臆病なものであっても、もし彼が病死の恐怖に十分に心を奪われているならば、
おそらく彼は、自分より勇気のある人間以上に、注射や手術などに耐えるであろう。
――S・ヴェイユ『カイエ』みすず書房 222頁
31 :
名無しとは虚栄の別名である
:2014/10/25(土) 04:14:47.77 ID:QKK+QiuM0
非戦闘員を虐殺したとか休戦協定を破ったとかの蛮行があった場合はともかく、本来、名将と愚将とのあいだに道義上の優劣はない。愚将が味方を一〇〇万人殺すとき、名将は敵を一〇〇万人殺す。その差があるだけで、殺されても殺さないという絶対的平和主義の見地からすれば、どちらも大量殺人者であることに差はないのだ。
――田中芳樹「銀河英雄伝説」(創元推理文庫 145ページ)
32 :
名無しとは虚栄の別名である
:2014/12/11(木) 15:30:32.76 ID:4sz0EtPO0
私は死ぬ決心をした。いまさら私に希望を吹き込むような偽善はよしてくれ。口に入れてしゃぶってみるまでは、どんな飴玉でも、けっこう固く感じられるものだ。しかしすぐに噛み砕いてしまいたくなる。いちど砕けた飴玉は、もう元には戻らない。
――安部公房「箱男」(新潮文庫 174ページ)
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